2014年10月31日

遺伝的多様性の新しい影響を発見 -わずかな性質の違いが生態系を変化させる可能性-


1:2014/10/26(日)19:38:05 ID:
 
 山道真人 白眉センター特定助教は、笠田実 東京大学総合文化研究科大学院生と吉田丈人 同准教授らのグループとの共同研究により、被食者である藻類(クロレラ)とその捕食者である動物プランクトン(ワムシ)からなる人工的な生態系を実験室内に構築し、遺伝的多様性が、生態系を構成する種の個体数と進化にどのような影響を与えるかについて観測しました。その結果、遺伝的多様性のわずかな違いが、進化や個体数変化のあり方を大きく変えることで、生態系に大きな影響を与える可能性を新たに発見しました。




 本研究成果は、米国科学アカデミー紀要「PNAS」に10月20日13時(米国東部時間)に掲載されました。

研究者からのコメント

 これまで「遺伝的多様性の質」はあまり注目されてきませんでしたが、本研究によって、遺伝的多様性の質的な違いが生態系に大きな影響を与えることがあると示されました。つまり、生態系をより深く理解するには、構成する生物種という単位だけでなく、種内に見られる遺伝的多様性を含めて生物を捉える必要があります。

 生物多様性の保全は国内外において重要な社会目標となっていますが、種の保全だけでなく種内の遺伝的多様性を保全する意義の一つが新たに明らかとなりました。また、感染症の対策や野生生物の管理において、遺伝的多様性を考慮する重要性が今まで以上に示されたと言えます。

発表雑誌:
雑誌名:米国科学アカデミー紀要 (Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America) (オンライン版:2014年10月20日)
論文タイトル:Form of an evolutionary tradeoff affects eco-evolutionary dynamics in a predator-prey system
著者:Minoru Kasada, Masato Yamamichi and Takehito Yoshida
DOI番号:10.1073/pnas.1406357111
アブストラクトURL:http://www.pnas.org/content/early/2014/10/21/1406357111.abstract

詳しくは京大で
遺伝的多様性の新しい影響を発見 -わずかな性質の違いが生態系を変化させる可能性- 
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2014/141020_1.html
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2014/documents/141020_1/02.pdf




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